闇と月


それにしても吸いすぎだ。

灰皿が吸殻で山になってる…

それでも柚華は新しい煙草に手を伸ばそうとしていた。

「お前、吸いすぎだ。」

口を出すつもりはなかったのに思わず声に出ていた。

それ程までに屋上には煙草の匂いが広がっていたのだ。

いや、そもそも匂いがとかゆう問題ではない…

明らかに何かおかしい。

思わず俺が止めたくなるほどに…

『逆にみんなは吸ってないの?暴走族なのに?』

そう柚華は少しバカにしたように聞いてきた。

俺達月光は煙草が基本禁止されている。

完全にという訳では無いが倉庫の中では禁止。

吸うなら喫煙所に行かないとダメだ。

理由は10代目が決めたらしいがその時まだガキだった俺らには詳しい事は分からない…

あまり理由を気にしたこともなかった。

俺が月光に入った頃からこのルールが浸透してたから滅多なことがない限り吸いたいとならなかったからだ。

それに喫煙所に行けば済む話だしな…

「俺達はあんまり吸わないよー!先代の方が基本は吸っちゃダメって禁止したの!」

勇太の返答に対して柚華は驚くことを口にした。

『そんなのちゃんと今でも守ってんの?あんな昔のことを…』

守ってる?

昔の事を?

どういうことだ…


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