闇と月
柚華が眠ってから数時間たった頃、
急に柚華が魘され始めた。
何度夢の中で誤っているようだ。
「おい、柚華起きろ、おい柚華!」
お前をそこまでさせるのはなんだ…
早く起きろ…
俺は軽く柚華を揺すったがなかなか目を覚まさず何回か声をかけた。
少し強めに揺すり声をかけると、やっと目が覚めた柚華は冷や汗をかき、息も切れている。
「お前、魘されてたぞ。嫌な夢でも見てたのか?」
『あ、いやその前に私寝る前何か言ってた?』
その前にって…あんな魘されてたのにな。
『あぁ、お前寝る前にそばにいろとか言ってたぞ。珍しく女の子らしかったな…クス』
あまりにも柚華が慌てるもんだからついからかいたくなった。
忘れろなんて言われても忘れらんねぇな…
「あれ、お前の癖なのか?」
『小さい頃親に甘えられなかったのが理由でその癖が出るようになったみたい…』
柚華やっぱりなんかあるんだな。
これが初めて柚華の口から聞いた柚華自身の話だった。
俺はこいつを月姫にする、
そう心に決めた。