闇と月


柚華がトイレからやっと帰ってきた。

「おい、いつまでトイレ行ってんだ。」

俺、ほんとこれ重症だな。

トイレの長さに文句言うとか…

そう思いながら冷蔵庫から取り出したビールを口に流していた。

『トイレ混んでたんだよ…』

そんなわけあるかと思い柚華の方に顔を向けると顔がありえないくらい青白くなっていた。

「柚華、何かあったのか?顔色真っ青だぞ?」

『だい、じょうぶ…』

絶対に大丈夫じゃねぇ…

そう声をかけようとしたら柚華が倒れそうになり慌てて駆け寄った。

「柚華、しっかりしろ!! おい、柚香!」

俺の慌てた声に渉や翔、双子たちも慌てて駆け寄ってきた。

「仁、何があった」

「柚華さん、大丈夫ですか!」

「「柚、しっかり!!」」

そう口々に声をかけたが反応がない、

意識が完全に途切れる寸前に俺のシャツを掴んだ。

『蓮にぃ…どこにも行かないで。お願い、だから柚華もそっち行くから待ってて。』

そう悲痛なか細い声でいい、意識が完全に無くなった。


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