闇と月
仁の手が私の髪に触れ、頬をなぞった。
思わず目を閉じると、仁は瞼に軽くキスを落とした。
『え…』
「んん、お取り込み中ごめんね〜。」
いつの間にかゆうが来ていた。
『あれ、ゆうじゃん。久しぶり。また、来ちゃった見たいだね…』
「ほんとだよ、柚華ちゃんまた食べてなかったでしょ。本当だったら睡眠薬も出してあげたいとこだけど…」
『大丈夫、寝れるよう努力するから。』
私は睡眠薬が飲めない体質らしい。
昔調合され飲んだことがあったが、どの種類を試しても戻してしまいダメだった。
『今回はどれくらい寝てた…?』
いつも倒れて病院に運ばれる時は大体10日くらい眠ったままでずっとあの夢に魘される。
そして10日後目が覚めると、今度は数日物が食べれなくなり、数日間点滴の入院生活をしていた。
でも、今日はなんか違う。
いつもは吐き気と頭痛が酷いけど、頭痛は少しあるけど吐き気は無い。