闇と月


「それで、体調はどう?」

『いつもより全然いい。少し頭痛いだけ。』

「そっか、それじゃあ痛み止め処方しておくね。」

『うん、いつもありがとう。』

今回はどれくらいで退院出来るのだろう…

「あとは、大丈夫そうだね。脈も正常だし、まぁ、ちょっと痩せ過ぎぐらいかな。」

ゆー君が少し悲しそうな顔をしていた。

私は一体何人の人たちに心配をかけ、迷惑をかけているのだろう…

自分が本当にいやなる。

嫌いになる。

「お、颯太たち来たみたいだね。」

外が少し騒がしくなっていた。

仁が挨拶をして要る声が聞こえる。

「柚華ちゃん、多分仁君以外にも、もう君が起きたことを聞きつけていてくれてる。君は、きっともう隠し通す事は難しいよ。柚華ちゃんと、僕たちの関係性はもう彼らに伝えてある。まだ、そうしてもっていうなら無理は言わないけど、それでも彼らはね、仁君はねきっと君の口から君の過去について知りたいと思っている。彼らはもう聞く覚悟は、できてるよ。月姫を守る覚悟もね…」

私にその覚悟はあるのだろうか…

出ていく覚悟はしていたはずなのにね。

私はそっと右肩を左手で押さえた。

そこには、煙草を押し付けられた跡がある。


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