Candy Spoon
2杯目
葵さんの家に遊びに行った3日後、連絡が来た。
『ポタちゃんが遊びたいって』
絵文字も顔文字もない文章が、葵さんらしいと思った。
早速返事をすると、次の休みの日に再び葵さんの家に遊びに行くことが決まった。
休みの日
近所で美味しいと噂のケーキを買って葵さんの家に向かう。
所々道に迷いながら進むと、葵さんが住むマンションが見えてきた。
なんだか緊張する。
勇気をだしてインターホンを鳴らした。
「はい」
ガチャっと扉をあける音がして、少し眠そうな葵さんがドアの隙間から顔を出す。
「あ、遊びに来ました」
私の顔を見ると葵さんは少し気まずそうな顔をした。
「ポタちゃんなんだけど、急にさっき実家に帰った」
葵さんが気まずそうな顔をした理由が分かった気がした。
というかポタちゃん、実家あるの?
いくら昨日一緒のベットで眠った仲とはいえ、二人きりは気まずい。
「そうなんですね…そしたら、また今度遊びに来ます。これ、みんなで食べようと思って買ったケーキなんですけど、よかったら食べてください」
そう言い、葵さんにケーキの箱を渡そうとすると
「せっかくだから、家でケーキだけでも食べてけば?」
予想外の言葉が返ってきた。