桜が咲く前に



―――書いては消してを繰り返していたら、気づけば時計の針は21時を指していて。




あれ、いつからこうしてたんだっけ。もしかして私、一時間以上メッセージ考えてる…?




なんの用事も無い今日、ご飯とお風呂を済ませてすぐに部屋に閉じこもっていた。




起き上がってリビングに水を取りに行こうとすると、手放したスマホがベッドの上で鳴った。




「千紘先輩だ…!」




久々に私が起きている間に返事がきた気がする。水を取りに行こうとしたことも忘れてベッドへと逆戻り。




“今から自由時間。今日は充電ある?”



“お疲れ様でした!ばっちりです!”




もう夜なのに今まで勉強してたんだ…きっと短期だから忙しいんだろうな。


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