桜が咲く前に



伝えるって決めたのに、時々こうやって「意識してないよ」って言われているような気持ちになって、不確かに揺らいでしまう。




結局私は、自己満足の為に告白しようとしているわけで。




言うのが怖い、振られるのも怖い。そんな自分ばっかりなところが嫌い。




…キリがない。考えるのやめよう。




私はカバンを下ろすと、ソファーではなくカーペットの上に座った。




先輩が戻ってくるまで特に何もせず、履いてきたスカートの裾をいじっていた。




少しして千紘先輩が飲み物を持って戻ってくると、自由にしていた手は膝の上に。背中はピシッと直線に。




改まっている私に不信感丸出しな千紘先輩。




最近そういう顔をされることが多くなった。様子がおかしいって体調を心配されると罪悪感でいっぱいになる。




…告白のタイミングを伺っているんです。


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