桜と私と君
朝はいつもどうり夕桜が私の家に迎えに来てくれた。
「おはよ、いつもありがとう」
「おはよー、全然!昨日はご飯食べた?」
毎日同じ質問だ。私の両親はどちらとも亡くなっていて血の繋がった家族は一人もいない。
だから夕桜は心配してくれているのだ。
「うん食べたよ、ついでに言うと、ちゃんと寝たしちゃんと朝起きれたから」
すると夕桜がふふっと笑って
「なんでわかるの?次の質問」
私も笑って答える。
「だっていつも同じ質問してくるじゃん」
そう言うと夕桜が唇を尖らせて
「だって心配じゃん」
と言った。
小さい頃から同じ質問をされているので軽く1000回は同じ質問をされていることになる。
学校に着いていつもどうり2人で桜の木の観察をする。
「もうちょいだな」
「ね、卒業の時満開だといいね」
桜の木はまだまだ桜が咲く気配がしなかった。
卒業式で満開の桜が見たい。
教室に戻るとたくさん人が来ていた。
「おっはー、今日も木の観察?」
元気に話しかけてくれたのは
凪咲(なぎさ)だ。
笑顔が魅力的な女の子で私の親友だ。
「おはよー、うん!木の観察してきた」
「ほんとすごいよね、このまま結婚しそう」
凪咲は可愛い笑顔を浮かべてそう言った。
「凪咲はモテるじゃん!私、夕桜が唯一の救いって感じだから」
すると凪咲が
「そおー?」
と照れていた。
「だって昨日も告白されたんでしょ?」
「うん」
凪咲は毎日のように告白されている。
しかも女子とも仲が良くて勉強も運動もできて完璧美少女だ。
「美桜ー、帰ろ!」
夕桜が笑顔でこっちに走ってきた。
「うん帰ろ」
「やっと学校終わったー、でも明日も学校かー。」
笑顔を浮かべたり悲しい顔になったり夕桜の浮かべる表情が大好きだ。
「でもあと1ヶ月しかないんだからね?」
私がそう言うと
「あー、確かに。1ヶ月って短いよな。
卒業前の1ヶ月ってみんなどうやって過ごすんだろ。」
夕桜が真剣な顔でそう言った。
私も考えてみる。
いつもどうりに過ごす人もいるし、
たくさん思い出を作るために友達とどこかに出かける人もいるだろう。
すると夕桜が
「俺ら、どうやって過ごす?俺は美桜と一緒にいれるならなんでもいい」
またキュンとした。
私と一緒に入れるならいいって私はどれだけ幸せなんだ。
「私も夕桜と一緒ならいいよ」
「じゃあどうやって過ごすか会議しようぜ」
「うん」
そう話していると私の家の前に着いていた。
「お邪魔します!」
夕桜が元気にそう言った。
でも私の家は人がいないからそんなこと言う必要ない。
何回も、言わないでいいからと教えても
「や、家に向かって言わないと」
と言う。夕桜の育ちが良すぎるせいだ。
どんな育て方をしたらこんなに礼儀正しい子ができるのか。
そう考えながら私はお茶とお菓子を用意した。
机に持っていくと
「美味しそー、ありがと!」
と夕桜の笑顔が見えた。
2人でお菓子を食べながらどうやって残りの1ヶ月間過ごすのか作戦会議をするのかと思いきや
「同居のことなんだけどさ、この家に住みたい」
と夕桜が突然同居の話をした。
「え、別に大丈夫だけど」
私がそう答える嬉しそうな顔をした。
「やったー!なんかさ俺らと言ったらここじゃん?だからここに住みたくて。もちろん金は払えるようにするから」
今の家賃はお母さんとお父さんが残してくれたお金で払っている。
高校生が一軒家に1人で住んでいると知った人達がご飯やお金をくれることもある。
ここの人達はほんとに思いやりがあって優しい。
それと夕桜の家の人にもお世話になっている。
小さい頃から家族ぐるみで仲が良かったから
私の両親が死んでからはご飯を作ってもらったりしている。
「同居のこと夕桜の家族はなんて言ってた?」
「別にいいよって、でも新しく家買うと美桜が大変だろうから今の美桜の家の方がいいだろうって」
夕桜の家族までに気を使わせてしまった。
「じゃあ1ヶ月間の過ごし方は、、、」
「あー、それ決めに来たんだった!」
夕桜が思い出したように言った。
その顔が可愛かった。
「私、桜の木の観察はやめたくないな」
「俺も!それだけはやめたくない。」
「じゃあ放課後、どうする?」
「思い出作りにどっか行こ!」
「あ!それいいね」
「でもさー、この辺だいたい遊び行ったよな」
「確かに、遊びすぎたね」
「どーする?」
「こうやって毎日放課後遊ぼ、お散歩したり」
「美桜天才!そうしよ!」
そして会議は終わった。
夕桜が家に帰ってから1人になると少しだけ寂しかった。
今首にぶら下げているロケットペンダントを開く。
夕桜と私の写真だ。
2人とも桜の木の下で泣いている。でも笑顔だった。
涙を流しながら笑っていた。
この写真は高校の合格発表の時に撮った写真だ。
中学3年生の時、2人でここに行きたい、と2人で勉強していた。
そして合格していた。
その時嬉しすぎて涙を流していたのだ。
いつもこの写真を見て安心している。
この写真を見るといつだって1人寂しい気持ちがいつの間にか消えている。
一日を終え、ベットに入った時電話がかかってきた。
夕桜からの電話だ。
「もしもし、夕桜?」
「美桜、会いたい」
「え?いまから?」
「ビデオ通話にしてくれるだけでいい」
そう言われ、髪の毛を整えてビデオ通話をONにした。
「私も会いたかった」
「美桜、大丈夫か?」
「え、何が?」
「寂しそうな顔してる。」
寂しそうな顔、、、顔に出てるとは思わなかった。
確かに今私は1人ですごく寂しい。
「うん、寂しかったけど夕桜が電話してくれたから大丈夫。」
すると夕桜は笑顔になって
「よかった」
と呟いた。
電話が終わってまた1人になった。
でも夕桜の声を聞けたから大丈夫。
夕桜はいつも寂しさを和らげてくれる。
『卒業式に何か渡そう』
そう頭の中に考えが浮かんだ。
でも何を渡せばいいのか。
夕桜はいつも桜を見て幸せそうな笑顔になる。
その桜をいつでも見れるようにカメラをあげよう。
お金を貯めてカメラを買って卒業式にプレゼントする。
インターネットでカメラを調べた。
何個も写真を見ていると1つピンとくるものがあった。
夕桜にピッタリだ。
値段は7800円。
卒業式までに何とか買えそうだ。
「おはよ、いつもありがとう」
「おはよー、全然!昨日はご飯食べた?」
毎日同じ質問だ。私の両親はどちらとも亡くなっていて血の繋がった家族は一人もいない。
だから夕桜は心配してくれているのだ。
「うん食べたよ、ついでに言うと、ちゃんと寝たしちゃんと朝起きれたから」
すると夕桜がふふっと笑って
「なんでわかるの?次の質問」
私も笑って答える。
「だっていつも同じ質問してくるじゃん」
そう言うと夕桜が唇を尖らせて
「だって心配じゃん」
と言った。
小さい頃から同じ質問をされているので軽く1000回は同じ質問をされていることになる。
学校に着いていつもどうり2人で桜の木の観察をする。
「もうちょいだな」
「ね、卒業の時満開だといいね」
桜の木はまだまだ桜が咲く気配がしなかった。
卒業式で満開の桜が見たい。
教室に戻るとたくさん人が来ていた。
「おっはー、今日も木の観察?」
元気に話しかけてくれたのは
凪咲(なぎさ)だ。
笑顔が魅力的な女の子で私の親友だ。
「おはよー、うん!木の観察してきた」
「ほんとすごいよね、このまま結婚しそう」
凪咲は可愛い笑顔を浮かべてそう言った。
「凪咲はモテるじゃん!私、夕桜が唯一の救いって感じだから」
すると凪咲が
「そおー?」
と照れていた。
「だって昨日も告白されたんでしょ?」
「うん」
凪咲は毎日のように告白されている。
しかも女子とも仲が良くて勉強も運動もできて完璧美少女だ。
「美桜ー、帰ろ!」
夕桜が笑顔でこっちに走ってきた。
「うん帰ろ」
「やっと学校終わったー、でも明日も学校かー。」
笑顔を浮かべたり悲しい顔になったり夕桜の浮かべる表情が大好きだ。
「でもあと1ヶ月しかないんだからね?」
私がそう言うと
「あー、確かに。1ヶ月って短いよな。
卒業前の1ヶ月ってみんなどうやって過ごすんだろ。」
夕桜が真剣な顔でそう言った。
私も考えてみる。
いつもどうりに過ごす人もいるし、
たくさん思い出を作るために友達とどこかに出かける人もいるだろう。
すると夕桜が
「俺ら、どうやって過ごす?俺は美桜と一緒にいれるならなんでもいい」
またキュンとした。
私と一緒に入れるならいいって私はどれだけ幸せなんだ。
「私も夕桜と一緒ならいいよ」
「じゃあどうやって過ごすか会議しようぜ」
「うん」
そう話していると私の家の前に着いていた。
「お邪魔します!」
夕桜が元気にそう言った。
でも私の家は人がいないからそんなこと言う必要ない。
何回も、言わないでいいからと教えても
「や、家に向かって言わないと」
と言う。夕桜の育ちが良すぎるせいだ。
どんな育て方をしたらこんなに礼儀正しい子ができるのか。
そう考えながら私はお茶とお菓子を用意した。
机に持っていくと
「美味しそー、ありがと!」
と夕桜の笑顔が見えた。
2人でお菓子を食べながらどうやって残りの1ヶ月間過ごすのか作戦会議をするのかと思いきや
「同居のことなんだけどさ、この家に住みたい」
と夕桜が突然同居の話をした。
「え、別に大丈夫だけど」
私がそう答える嬉しそうな顔をした。
「やったー!なんかさ俺らと言ったらここじゃん?だからここに住みたくて。もちろん金は払えるようにするから」
今の家賃はお母さんとお父さんが残してくれたお金で払っている。
高校生が一軒家に1人で住んでいると知った人達がご飯やお金をくれることもある。
ここの人達はほんとに思いやりがあって優しい。
それと夕桜の家の人にもお世話になっている。
小さい頃から家族ぐるみで仲が良かったから
私の両親が死んでからはご飯を作ってもらったりしている。
「同居のこと夕桜の家族はなんて言ってた?」
「別にいいよって、でも新しく家買うと美桜が大変だろうから今の美桜の家の方がいいだろうって」
夕桜の家族までに気を使わせてしまった。
「じゃあ1ヶ月間の過ごし方は、、、」
「あー、それ決めに来たんだった!」
夕桜が思い出したように言った。
その顔が可愛かった。
「私、桜の木の観察はやめたくないな」
「俺も!それだけはやめたくない。」
「じゃあ放課後、どうする?」
「思い出作りにどっか行こ!」
「あ!それいいね」
「でもさー、この辺だいたい遊び行ったよな」
「確かに、遊びすぎたね」
「どーする?」
「こうやって毎日放課後遊ぼ、お散歩したり」
「美桜天才!そうしよ!」
そして会議は終わった。
夕桜が家に帰ってから1人になると少しだけ寂しかった。
今首にぶら下げているロケットペンダントを開く。
夕桜と私の写真だ。
2人とも桜の木の下で泣いている。でも笑顔だった。
涙を流しながら笑っていた。
この写真は高校の合格発表の時に撮った写真だ。
中学3年生の時、2人でここに行きたい、と2人で勉強していた。
そして合格していた。
その時嬉しすぎて涙を流していたのだ。
いつもこの写真を見て安心している。
この写真を見るといつだって1人寂しい気持ちがいつの間にか消えている。
一日を終え、ベットに入った時電話がかかってきた。
夕桜からの電話だ。
「もしもし、夕桜?」
「美桜、会いたい」
「え?いまから?」
「ビデオ通話にしてくれるだけでいい」
そう言われ、髪の毛を整えてビデオ通話をONにした。
「私も会いたかった」
「美桜、大丈夫か?」
「え、何が?」
「寂しそうな顔してる。」
寂しそうな顔、、、顔に出てるとは思わなかった。
確かに今私は1人ですごく寂しい。
「うん、寂しかったけど夕桜が電話してくれたから大丈夫。」
すると夕桜は笑顔になって
「よかった」
と呟いた。
電話が終わってまた1人になった。
でも夕桜の声を聞けたから大丈夫。
夕桜はいつも寂しさを和らげてくれる。
『卒業式に何か渡そう』
そう頭の中に考えが浮かんだ。
でも何を渡せばいいのか。
夕桜はいつも桜を見て幸せそうな笑顔になる。
その桜をいつでも見れるようにカメラをあげよう。
お金を貯めてカメラを買って卒業式にプレゼントする。
インターネットでカメラを調べた。
何個も写真を見ていると1つピンとくるものがあった。
夕桜にピッタリだ。
値段は7800円。
卒業式までに何とか買えそうだ。