成人女性
　考え過ぎは心に毒のような気がするが、楽観的過ぎるのも決して良いわけではないだろう。
　決め事とはいずれ決めなければいけないことなのだから答えを出さなければならないことには変わりないのだが、その決め事というものもじっくりと時間を掛けて決断しなければならないものとその場でさっと決めなければならないものがあり、アリストテレスの「中庸(ちゆうよう)」ではないが場によって思慮する度合いと時間を臨機応変に調整して物事を決めることができるのが最善ではないかと思う。
　実際このエッセイは夕食のおみおつけにじゃが芋を切り小口鍋にお水や出汁の素と一緒に入れて沸騰させている間に書いているのだが、こういう時間が限られている時に何の話題を書こうかと勘案していては書き始める前におつけが出来上がってしまうので、なるだけ早く題材を決めて書き始めなければならない。
　題材は思いついたときに書き留めているが、その題材は幾つもあっても各々いつかは書き上げるものなので順番などはそう気にしない。
　そういうことで私はルーレットアプリを起動し、題材リストから目に留まったものを五つほど登録してルーレットの開始ボタンを押すのである。
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