婚約者の執愛
「あ…綺麗な花束を頂きました」
舞凛が律希を見上げ言った。
「花束?
で、今何処にあるの?」
「あ、洗面台でお水に浸けてます。
律希様が帰ってきたら、花瓶を買い行きたいなと思ってました」
「舞凛、その花束持ってきて」
「え?あ、は、はい…」
頭を撫で言った律希に、舞凛は頷き洗面所に向かったのだった。
「━━━━━本当は、何しに来たの?」
洗面所に向かう舞凛を優しく見守り、紗莉渚を見ることなく言った。
「え?」
「お祝いなんて、する気ないくせに!
舞凛のこと、見に来たんでしょ?」
そして、紗莉渚を睨み付けた。
「…………どうして、あんな地味な子なの?」
「君にはわからない」
「律希…」
「……………運命だと思ったんだ」
「え……?」
「それしかない。
だいたい!理由なんて、僕にだってわからない。
ただ…僕が生きていく上で“舞凛”が必要だったから。
舞凛に初めて見かけた時“あー、やっと逢えた”って思った。
舞凛にしか意識が向かなくなって、舞凛のことばっか考えるようになって、何も手につかなくなった。
とにかく、舞凛を手に入れたいって!
舞凛がキラキラしてて……一目惚れって言ったらそうなんだろうけど、それ以上に“運命”だって思った。
舞凛といると“幸せだなぁ”って思うんだ。
ただ…舞凛のことを思って涙が出る時もある。
舞凛と離れると、息ができなくなる。
ずっと、舞凛“だけ”を見ていたい。
舞凛以外、目の中に入れたくない。
舞凛の声だけ聞いていたい。
舞凛じゃなきゃ、僕は僕でいられない。
舞凛が傍にいないと、幸せになれない」
「そんなこと…」
律希の舞凛への思いに、紗莉渚は肩を落とした。
「律希様」
そこへ舞凛が花束を持って、戻ってきた。
「ん」
律希は舞凛が持ってきた花束を、片手で乱暴に掴みゴミ箱に捨てた。
「え━━━━
律希様、何を………!!?」
「言ったよね?
この家には、僕が買った物しか置けないって。
なんで、他人が買った物がこの家の中に存在するの?」
「でも、お祝い……」
「この人、お祝いなんかする気ないよ」
「え……」
「ただ、僕の婚約した人がどんな女か見に来ただけ。
この人は、昔から彼女面して僕にくっついてた糞みたいな女なの。
父さんが梅島を懇意にしてたから、勘違いしてさ。
まぁ…でももう、それも終わりだけど……」
「「え?」」
意味深な笑顔を浮かべる律希。
舞凛と紗莉渚は、不思議そうに律希を見た。
そしてタイミング良く御堂が入ってきた。
「失礼いたします」
「あと、よろしく」
律希が言うと、御堂は頷き紗莉渚に向き直った。
「紗莉渚さん。
行きましょう」
「え……」
「貴女は、タブーを犯した。
もう……梅島は終わりですよ」
御堂は紗莉渚を見据え、言い放ったのだった。
舞凛が律希を見上げ言った。
「花束?
で、今何処にあるの?」
「あ、洗面台でお水に浸けてます。
律希様が帰ってきたら、花瓶を買い行きたいなと思ってました」
「舞凛、その花束持ってきて」
「え?あ、は、はい…」
頭を撫で言った律希に、舞凛は頷き洗面所に向かったのだった。
「━━━━━本当は、何しに来たの?」
洗面所に向かう舞凛を優しく見守り、紗莉渚を見ることなく言った。
「え?」
「お祝いなんて、する気ないくせに!
舞凛のこと、見に来たんでしょ?」
そして、紗莉渚を睨み付けた。
「…………どうして、あんな地味な子なの?」
「君にはわからない」
「律希…」
「……………運命だと思ったんだ」
「え……?」
「それしかない。
だいたい!理由なんて、僕にだってわからない。
ただ…僕が生きていく上で“舞凛”が必要だったから。
舞凛に初めて見かけた時“あー、やっと逢えた”って思った。
舞凛にしか意識が向かなくなって、舞凛のことばっか考えるようになって、何も手につかなくなった。
とにかく、舞凛を手に入れたいって!
舞凛がキラキラしてて……一目惚れって言ったらそうなんだろうけど、それ以上に“運命”だって思った。
舞凛といると“幸せだなぁ”って思うんだ。
ただ…舞凛のことを思って涙が出る時もある。
舞凛と離れると、息ができなくなる。
ずっと、舞凛“だけ”を見ていたい。
舞凛以外、目の中に入れたくない。
舞凛の声だけ聞いていたい。
舞凛じゃなきゃ、僕は僕でいられない。
舞凛が傍にいないと、幸せになれない」
「そんなこと…」
律希の舞凛への思いに、紗莉渚は肩を落とした。
「律希様」
そこへ舞凛が花束を持って、戻ってきた。
「ん」
律希は舞凛が持ってきた花束を、片手で乱暴に掴みゴミ箱に捨てた。
「え━━━━
律希様、何を………!!?」
「言ったよね?
この家には、僕が買った物しか置けないって。
なんで、他人が買った物がこの家の中に存在するの?」
「でも、お祝い……」
「この人、お祝いなんかする気ないよ」
「え……」
「ただ、僕の婚約した人がどんな女か見に来ただけ。
この人は、昔から彼女面して僕にくっついてた糞みたいな女なの。
父さんが梅島を懇意にしてたから、勘違いしてさ。
まぁ…でももう、それも終わりだけど……」
「「え?」」
意味深な笑顔を浮かべる律希。
舞凛と紗莉渚は、不思議そうに律希を見た。
そしてタイミング良く御堂が入ってきた。
「失礼いたします」
「あと、よろしく」
律希が言うと、御堂は頷き紗莉渚に向き直った。
「紗莉渚さん。
行きましょう」
「え……」
「貴女は、タブーを犯した。
もう……梅島は終わりですよ」
御堂は紗莉渚を見据え、言い放ったのだった。