婚約者の執愛
芝生の上に胡座をかいて座った律希が、両手を広げる。
「舞凛!おいで?」
「ほんとに大丈夫ですか?
重くないかな……?」
「大丈夫!舞凛、小さくて軽いもん。
ほら、おいで?」
「………はい…」
ゆっくり律希の膝の上に座ると、ギュッと抱き締められた。
「んー、幸せ~」
舞凛の肩に顔を埋めて言う、律希。
「重くないですか?」
「うん、全然!」
「でも、これじゃ…律希様、お弁当食べられませんね…(笑)」
「じゃあ、舞凛が食べさせて!」
「あ、はい」
舞凛は膝の上に弁当を広げた。
「律希様、何から食べますか?」
「玉子焼」
「いや、玉子焼はやめた方がいいかと……」
「えー、なんでぇ?」
「焦げちゃったので…きっと、不味いです……」
チューリップフェスタということで、どうせなら天気がいいので弁当を作って外で食べることにした二人。
ほとんど律希が作ってしまい(手際がいいので、舞凛は追い付かない)結局舞凛は、玉子焼だけしか作ることができなかった。
しかもジッと律希が見つめるので、緊張して焦がしてしまったのだ。
「夕食に自分が責任をもって食べる」と言う舞凛に、「そんなのダメ!僕が食べたい」と言い、無理矢理弁当につめたのだ。
「舞凛が作ったことに意味があるの!
食べたい!あーん!」
「でも…」
「早く!
あーん!」
口を開けて待っている律希に、舞凛はしびれを切らし玉子焼を一口に切って口の中に入れた。
「ん!美味しい!」
「嘘ですよ!焦げちゃってるんですよ?
苦いですよね?」
「そんなことないよ?ほんとに、美味しいよ!」
微笑む律希に、舞凛も自然と微笑んだ。
「律希様」
「ん?」
「すみませんでした」
「ん?何が?何の話?」
「レジャーシート…私が忘れてしまったから、律希様に直接芝の上に座らせる事になってしまって……」
「………ううん。いいんだよ。気にしないで?」
(可愛すぎ/////レジャーシート、僕が“わざと”置いてきたのに、責任感じてる。ほんと、可愛すぎて益々放せない……!)
律希は舞凛の頭をゆっくり撫でながら、心の中でほくそ笑むのだった。
それからゆっくりまた手を繋ぎ、歩きだした二人。
食材などを買い物して帰ろうということになり、街に出た二人。
チューリップフェスタでは、あまり人がいなかったので良かったのだが、街は人が多い。
あらゆる人達が、律希と舞凛を見てこそこそとしている。
きっと……“つり合ってない”と言いたいのだろう。
(気にしない。気にしない)
舞凛は必死に自分に言い聞かせる。
またつり合わないと律希に言うと、怒らせるだけだ。
律希の機嫌を損なわせてはいけない。
そんな時だった━━━━━━━
「天律?」
舞凛の知らない男性が、話しかけてきた。
「舞凛!おいで?」
「ほんとに大丈夫ですか?
重くないかな……?」
「大丈夫!舞凛、小さくて軽いもん。
ほら、おいで?」
「………はい…」
ゆっくり律希の膝の上に座ると、ギュッと抱き締められた。
「んー、幸せ~」
舞凛の肩に顔を埋めて言う、律希。
「重くないですか?」
「うん、全然!」
「でも、これじゃ…律希様、お弁当食べられませんね…(笑)」
「じゃあ、舞凛が食べさせて!」
「あ、はい」
舞凛は膝の上に弁当を広げた。
「律希様、何から食べますか?」
「玉子焼」
「いや、玉子焼はやめた方がいいかと……」
「えー、なんでぇ?」
「焦げちゃったので…きっと、不味いです……」
チューリップフェスタということで、どうせなら天気がいいので弁当を作って外で食べることにした二人。
ほとんど律希が作ってしまい(手際がいいので、舞凛は追い付かない)結局舞凛は、玉子焼だけしか作ることができなかった。
しかもジッと律希が見つめるので、緊張して焦がしてしまったのだ。
「夕食に自分が責任をもって食べる」と言う舞凛に、「そんなのダメ!僕が食べたい」と言い、無理矢理弁当につめたのだ。
「舞凛が作ったことに意味があるの!
食べたい!あーん!」
「でも…」
「早く!
あーん!」
口を開けて待っている律希に、舞凛はしびれを切らし玉子焼を一口に切って口の中に入れた。
「ん!美味しい!」
「嘘ですよ!焦げちゃってるんですよ?
苦いですよね?」
「そんなことないよ?ほんとに、美味しいよ!」
微笑む律希に、舞凛も自然と微笑んだ。
「律希様」
「ん?」
「すみませんでした」
「ん?何が?何の話?」
「レジャーシート…私が忘れてしまったから、律希様に直接芝の上に座らせる事になってしまって……」
「………ううん。いいんだよ。気にしないで?」
(可愛すぎ/////レジャーシート、僕が“わざと”置いてきたのに、責任感じてる。ほんと、可愛すぎて益々放せない……!)
律希は舞凛の頭をゆっくり撫でながら、心の中でほくそ笑むのだった。
それからゆっくりまた手を繋ぎ、歩きだした二人。
食材などを買い物して帰ろうということになり、街に出た二人。
チューリップフェスタでは、あまり人がいなかったので良かったのだが、街は人が多い。
あらゆる人達が、律希と舞凛を見てこそこそとしている。
きっと……“つり合ってない”と言いたいのだろう。
(気にしない。気にしない)
舞凛は必死に自分に言い聞かせる。
またつり合わないと律希に言うと、怒らせるだけだ。
律希の機嫌を損なわせてはいけない。
そんな時だった━━━━━━━
「天律?」
舞凛の知らない男性が、話しかけてきた。