幼なじみ

10. 告白

「2人とも行ってらっしゃい。」

『いってきます』

入学式や林間学校がなど色々な事があり、あっという間に5月に。来週から、ゴールデンウィークが始まる。

「ねぇゴールデンウィーク、夢の国いかない?」

「いいね!!行きたい!!」

「おぉ。いいな!いこうぜ。北斗も行くだろ?」

「美蘭が行くなら。」

ゴールデンウィークに結衣、寛太、北斗、私の4人で夢の国に行くことに。夢の国に行くのいつぶりだろう。

「美蘭、今日服買いに行かない?」

「いいね!行こ!ほくもついてきて。」

「はいはい」

「寛太もしょうがないから来ていいよ。」

「結衣、本当はきて欲しいんだろ!」

「やっぱこなくていいよ。」

「ねぇ、ごめんって。」

結衣と夢の国に来ていく服を買うことに。ほくは服のセンスがあるからついてきてもらう。女の子の服のセンスもすごく良いからいつも服を選んでもらってる。

「服どうする?おそろいにする?それとも全く別々?」

「どうする?ねぇ、ほくどうすればいい?」

「んー。美蘭と結衣は服の系統違うから別々の方がいいと思う。逆に結衣と寛太の系統と俺と美蘭の系統は似てるから、そっちで合わせるのもいいかも。」

「北斗すごいわ…。」

「すごいね。」

ほくからアドバイスをもらい、系統が似てるほくとリンクコーデをすることに。
ほくが私の服をコーディネートしてるから系統が似るのは当たり前なんだけど、結衣と寛太も系統似てるんだよね。2人ともストリート系の服をよく着ている。

「じゃあ、1時間くらい2人で探して、後で集合しよっか。寛太行くよ。」

「おー。」

「じゃあ、美蘭たちも行こ。」

「うん。」

ほくと2人でショッピングモールを回ることになった。

「みぃ、服どんなのがいい?」

「んー、大人っぽい感じ!」

「了解。」

ほくと色々なお店をまわって、服を買えた。私たちは、ブラックコーデで大人っぽい服装にした。すっごく可愛い。ほくありがとう。

「美蘭ー!買えた??」

「うん!買えたよ!結衣達は?」

「買えた!当日見せ合いっこしよ。」

「いいね!そうしよ。」

「はぁー。疲れたね。ねぇ、どこかで休憩しない?」

「疲れたね。そうしよ!」

結衣の提案でみんなでファミレスに寄ることに。あれ、ここのファミレスって…

「私ドリンク入れてくる。」

「結衣、ちょっとまって!」

「美蘭どうした?」

「昨日映像で結衣が小さい男の子とぶつかって、その子にジュースがかかっちゃって、それで、その男の子のお母さんに結衣が怒られてたんだ…。」

「そうだったんだ…。どうしたらいい?」

「美蘭が代わりに入れてくるよ。何にする?」

「うーん、オレンジジュースで!ありがとう!」

昨日、ファミレスでの映像を見た。映像は、ほくが死んじゃう映像だけでなく日常生活の映像が見えることもある。

「美蘭、俺もいくよ。」

「ほく、ありがとう。」

ドリンクバーに行くと、映像で見た男の子がいた。その子は、ドリンクバーの近くを走り回って席に戻っていった。

「美蘭、ありがとうー!」

「いいえ!よかった。」

未来を変えられたみたい。よかった。未来はちょっとした行動で変えられる。でも、なるべく変えないようにしている。変えたことによりもっと悪い未来に変わってしまうことがあるから。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか!」

「うん!夢の国楽しみー!」

「だねだね!じゃあまた月曜に学校でねー!」

「うん!ばいばーい!」

夢の国すごく楽しみ!服装も決まって、髪型はほくにやってもらうから後は…

「ねぇ、ほく」

「なに?」

「ほくってメイクできない?」

「やったことない。」

「みぃ、メイク全然上手くないから、ほくにやって欲しいんだけど…。」

「そう?みぃ、かわいいけど。」

家に着いて、ほくにメイクの相談をする。私は不器用すぎて出来ればほくにメイクをやってもらいたい。頼りすぎかな…。

「ほくにやって欲しいの…。ダメ?」

「まぁ、いいけど、できるか分かんない。」

「やったー!ありがとう!」

ほくがやってくれるみたい。ほくは何でもできるし、器用だから絶対メイクも上手にしてくれる。

「ちょっと、試しにやらせて。」

「うん。」

ほくがメイクの動画を見ながら、私がもっている化粧品を使ってメイクをしてくれる。いつもより距離が近くて緊張する。

「みぃ、目つぶって。」

「うん…。」

ほく初めてなのにすごく慣れてる感じがする。やっぱり、上手。

「あとは、口紅かな。」

「うん。」

口紅をほくが塗り、親指で口紅を伸ばしてくれる。ほくの指の温度が直接伝わってきて、変な感じ。くすぐったい。

「ん。できた。やばい。みぃめちゃくちゃ可愛い。」

「ほんと!鏡見せて。」

鏡を見てみると…何これ?本当に自分?別人みたい。ほくメイクすごく上手…。改めて、自分はメイクが下手なんだと思い知らされる。

「ほく、すごいね…。ありがとう。」

「うん。みぃ可愛すぎる。」

「みぃ、女の子なのに、メイク全然できない…。」

「みぃはすっぴんでもめちゃくちゃ可愛いからメイクなんかしなくていーの。それにメイクしたかったら俺がずっとやってあげる。」

「ほく、ありがとう。」

ほくは優しいからどんどん頼ってしまう。ダメ人間になっていくきがする…。

「みぃこっち向いて?」

「ん?」

カシャっ。

「可愛い。」

「もうー、また撮ってる」

ほくに写真を撮られる。ほくは、ほぼ毎日写真を撮ってくる。ほとんどが盗撮だけど。

「SNSに載せよっと。」

「ほく、みぃの写真載せすぎ。」

ほくにSNSの使い方を教えてから、私の写真ばっか載せてる。ほとんどが私単体の写真。それか、ツーショット。もっと、みんなで撮った写真とか載せればいいのに。

「よし、載せれた。」

「どの写真載せたのさ…。」

ほくの投稿を見てみると、写真はいいとして、投稿文が「俺の美蘭ちゃん」。ふざけてるでしょ…。

ほくの携帯でSNSを見ていると、フォローリクエストがきた。

「ねぇ、ほくフォローリクエストきたよ。」

「ん?なにそれ。」

「他の人がほくのことをフォローしようとしてる。許可する?」

「誰から?」

「んー。誰だろう…。でも同じ高校の子だよ。プロフィールにうちの高校名書いてある。」

「いや、許可しないで。」

「分かった。」

ほくは親しい友達だけでSNSをやりたいみたい。私は、鍵垢じゃないし、同じ高校の人だったらすぐフォローしちゃうから、正反対だな。

「まって。ほく30件くらいフォローリクエストきてるじゃん。」

「あー。なんかすごい通知きてたわ。」

「返しなよ。知ってる子もいるよ。」

「また今度やる。」

ほくのフォローリクエスト欄を見てみると、30人以上からリクエストが来てた。ほくすごい人気だなぁ。

「みぃ、写真撮ろ。ツーショットも載せたい。」

「いいよ。あ、ほくも髪の毛セットしようよ!みぃワックスやるから。」

「分かった。」

せっかくだし、ほくにもかっこよくなってもらう。セットしてないほくもカッコいいけど、セットしてるともっとカッコいい。

「ワックスできた。ほくやっぱりセットしてるのかっこいい。学校はセットしてかないの?」

「めんどくさい。」

うちの高校は校則が緩いから、髪セットしたり、染めたり、メイクしたり全然大丈夫なんだけど、ほくはめんどくさいみたい。

「よし、写真撮ろ!」

「ん。」

カシャッ。

「撮れた!」

「ありがとう。みぃ、可愛すぎる。ちょー可愛い。誘拐されない?毎日すっぴんで行こうね?」

「されないから。」

ほく大袈裟。でも、こうやって毎日自己肯定感を上げてくれる。自分に自信はないけれど、自分のことを好きでいられてるのはほくのお陰かな。

「もう、ほく投稿ふざけすぎ。」

「え、俺は真剣だよ。」

ほくの投稿文を見てみると「この子世界で1番可愛い。」って書いてある。この投稿見れるの結衣と寛太だけでよかった…。

「ふふっ。ほく結衣にアカウントバラされてるよ。笑」

「え。まじかよ…。」

結衣が、24時間で投稿が消えるショートムービーにほくのアカウントを載せて、「みんなフォローしてあげて」と言っている。私とのツーショットが一緒に載せられているけど投稿文は載ってないみたい。笑

ピコンッ。ピコンッ。

結衣が投稿してからしばらくすると、ほくの携帯の通知が鳴る。フォローリクエストが来たみたい。全然通知が鳴り止まない。

「結衣、やってくれたな。」

「通知すごいね。理沙ちゃんとか、涼太くんとか駿くんにはフォロー返してあげたら?」

「気が向いたら。」

もう、仲良い子にはフォロー返してあげればいいのに。

「みぃ、そろそろお風呂入ろ。」

「うん。」

メイクを落としてお風呂に入ると顔が全然違う…。ずっとメイクして過ごしたい…。

「ねぇ、ほく。」

「ん?」

「みぃ、すっぴんと顔変わりすぎじゃない?」

「そう?」

「うん。もうすっぴんで外歩きたくない。」

「みぃ、どうしたの?みぃのすっぴんかわいいから。世界で一番可愛い。食べたい。」

「痛っ!もう、やめてよ。」

ほくにほっぺを噛まれる。痛い。ほく犬みたい。

「ねぇ、みぃ。俺みぃのこと好きかも。」

「うん。みぃもほくのこと好きだよ?」

「違う。」

「え?」

「女の子として。恋愛的な意味で。」

「えっ。」

ほくから好きと言われた。それは私と同じ好きではないみたい。恋愛的に好きと言われた。驚きすぎて、なんて返したらいいか分かんない。

「えっ。えーっと。なんで?恋愛的?」

「うん。林間学校でみぃが告白されてたとき、思った。」

「でも、いつも嫉妬してるじゃん。それじゃないの?」

「そうだけど、いつもとは違う。みぃが誰かと付き合って、デートとかキスとかしてるの想像したら、すごい嫉妬して、俺がみぃとデートしたりキスしたいって思った。」

「そ、そうなんだ。」

動揺が隠せない。デートとかキスとか。ほくは、よくおでこにキスしてくるけど、口にはしてこないし、したいとは思ってなかった。でもほくは違うみたい。

「みぃも俺のこと好きになって。」

「えぇ。急に言われても。」

「みぃの好きは俺の好きと違うのは分かってるから、とりあえず俺がみぃのこと好きなのは知っといて。」

「うん。分かった。」

本当にびっくりした。ほくが私のことを好きなんて。林間学校から少し経つけど、全然気づかなかった。

「みぃ、そろそろ出よっか。」

「う、うん。」

どうしよう。ほくにどうやって接したらいいか分からなくなってしまった。ほくはいつも通りだけど。

「みぃ、おやすみ。」

「うん。おやすみ。」

いつも通り、髪を乾かしてもらって、映像を見たけれど、頭の中はパニック状態。頭がぐるぐるしてる。

もう、今日は寝よう…。
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