キミの魔法にかけられた~隣のデスクの無愛想な後輩が急接近してきて!?~


一瞬 何が起こったのか分からなくて、キスをされたんだと理解するのに時間がかかった。

慌てて周りを見渡せば、スタッフルームの中には私と甲斐くんの姿だけ。
皆帰ったんだとホッと胸を撫で下ろしたところで、甲斐くんの大きな手が私の頬にそっと触れる。


「ちょっと待っ……」

「ほっとけなくて、可愛いなって思ってました」

甲斐くんの唇はひんやりとしているのに、降り注ぐ様に落ちてくるキスは凄く甘いもの。
抵抗しようと思えば出来た筈なのに、私の手は甲斐くんの胸元をギュッと握りしめるだけ。


「っ、やめ……」

とろける様に深くなっていくキスが、どんどん体に熱を持っていく。


「いつも一生懸命で、真面目で、努力家で」

待って、待って。ちょっと、待って!

歯切れの悪い息を漏らしながら続けられる、彼の声色が妙に色っぽい。


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