キミの魔法にかけられた~隣のデスクの無愛想な後輩が急接近してきて!?~



「……か、甲斐くん、ここ……会社だよ?」

「じゃぁ先輩。そんな顔しないで下さいよ」

背中に回された手が、何度も優しく上下に撫で下ろされるから。頭がボーッとしてきて、何も考えられなくなってくる。



誰もいない、2人きりのスタッフルーム。
どの位の時間、キスを続けていただろうか。



「……せ、先輩、返事は?」

甲斐くんは、少しだけ身体を離して私へ視線を落とす。
彼の息も上がっていて、心なしか頬がほんのりと紅潮している。


「い、今更それ聞かないで」

「や、欲しいし」

「……キスは、嫌じゃ無かった」

なんて私の台詞に、甲斐くんの瞳が大きく見開かれたのが分かった。


「じゃぁ、つき合ってくれるんですか?」

甲斐くんの言葉に、小さく頷く私の心臓はバクバク状態で、頬は自分でも分かる位に赤く火照っていった。

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