キミの魔法にかけられた~隣のデスクの無愛想な後輩が急接近してきて!?~


「ミスしない魔法なんてかけてないんですよ」

「え?」

「そもそも、ミスしない魔法なんて無いですよ」

「えぇぇ!?何それ?」

だ、騙されたって事?
確かに魔法なんて、そんな都合のいい話ある方がおかしいんだけど。


「俺は、先輩がつまんないミスにしないように手助けしただけですよ」

甲斐くんが呆れた様に溜め息を吐いて、言葉を続けていく。


「集中出来る様に……香りの調整をしただけです」

「え、香り?」

「だって。先輩、仕事自体は出来る筈なのに、集中が続かないんですもん」

「……」

「その匂いが神経を通って脳下垂体に刺激を与えてですね、先輩が眠くならないようにですね」

「ちょっと待って。全く意味分かんないんだけど……」

「とにかく。力が使えても、クォーターなんで先輩が期待してる様な魔法は使えないんです」

「え、そうなの?」

「そうなんです」

頭の中は混乱状態。
きっと、甲斐くんの言っている内容の半分以上を理解出来ていない私がいる。でも、今これ以上分かれって言われても、無理だと思う。

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