鳥籠の姫
母が香音人と何か話していたものの、美桜の耳には何も届かない。ただボウッとワンピースと同じ白のパンプスの履いた足元を見ていると、母に「美桜!」と言われながら痛いほど強く肩を掴まれる。
「絶対に、香音人さんの言うことを聞いて仲良くするのよ?婚約破棄なんてされたら、その時は承知しませんからね?」
それだけ言い、母は帰っていく。その後ろ姿を見ながら「帰りたい」と美桜が思っていると、「お出かけしようか」と香音人に声をかけられる。断ることはできない。
「はい」
少女漫画などで、初デートで水族館や遊園地などに行く話を美桜は目にしたことがある。そういった場所に行くのだろうと思いながら高級車に揺られていたのだが、連れて来られたのは、会員制の庶民お断りといった雰囲気の漂う温水プールだった。
「着いたよ、ここでデートしよう」
「えっ!?」
全く予想のしていなかったお出かけに、美桜は驚きも戸惑いも通り越し、恐怖を感じてしまう。
「絶対に、香音人さんの言うことを聞いて仲良くするのよ?婚約破棄なんてされたら、その時は承知しませんからね?」
それだけ言い、母は帰っていく。その後ろ姿を見ながら「帰りたい」と美桜が思っていると、「お出かけしようか」と香音人に声をかけられる。断ることはできない。
「はい」
少女漫画などで、初デートで水族館や遊園地などに行く話を美桜は目にしたことがある。そういった場所に行くのだろうと思いながら高級車に揺られていたのだが、連れて来られたのは、会員制の庶民お断りといった雰囲気の漂う温水プールだった。
「着いたよ、ここでデートしよう」
「えっ!?」
全く予想のしていなかったお出かけに、美桜は驚きも戸惑いも通り越し、恐怖を感じてしまう。