君と新しい未来を歩く。
うん。やっぱりダメだわ。
「.......先輩、ちょっとそれ」
返却してもらおうと伸ばした手はすかっと空を切った。
「.......あの、ちょっとそれ」
もう一度挑戦するも身長が足りず。
「.......あの、くださいそれ」
今度は両手で挑戦、したのに失敗。
「.......っ先輩!!」
「なーに?」
「それ!そのブツ!返してください!」
ここまで来たら絶対返却してもらうんだから!
「えー、やだ」
「ちがうの持ってきますから!」
「やだ」
身長差があるから力づくでは奪える訳ないし、ここは説
得して返してもらうしかないのに当の本人は全然返す気
はなさそう。
このままじゃ付き合い初めから割に合わないモノを渡し
てくる人だって悪い印象になっちゃう!
「お願いです、先パ「やだ」