海であなたが救ってくれました
「酒、飲んだんですか?」
男性が勝手に私のバッグと空き缶の袋を地面から拾い上げた。ここでひとり酒をしていたと気づいたらしい。
「あー、そんなに大量には飲んでないかな。三缶ほど」
「でもこれストロング缶じゃないですか。アルコール度数の高いやつ。酔って海に入るとか、危なすぎ」
偶然通りかかった人に説教をされる羽目になるとは。
まぁでも、誤解をさせた私が悪い。この人は私を助けようとしてくれただけなのだから。
今は、迷惑をかけてごめんなさいと謝るしかない。
「で、なにを落としたの?」
「……え?」
「探し物ですよ」
彼の説教をしおらしく受け入れていたら、再び質問が飛んできた。
私はさすがに言葉を詰まらせ、海のほうへ視線を送った。
「必要なものではないんです。うっかり投げ捨てちゃったから、ちゃんと回収しなきゃと思っただけで……」
「だからなにを?」
「……指輪、です」
男性が勝手に私のバッグと空き缶の袋を地面から拾い上げた。ここでひとり酒をしていたと気づいたらしい。
「あー、そんなに大量には飲んでないかな。三缶ほど」
「でもこれストロング缶じゃないですか。アルコール度数の高いやつ。酔って海に入るとか、危なすぎ」
偶然通りかかった人に説教をされる羽目になるとは。
まぁでも、誤解をさせた私が悪い。この人は私を助けようとしてくれただけなのだから。
今は、迷惑をかけてごめんなさいと謝るしかない。
「で、なにを落としたの?」
「……え?」
「探し物ですよ」
彼の説教をしおらしく受け入れていたら、再び質問が飛んできた。
私はさすがに言葉を詰まらせ、海のほうへ視線を送った。
「必要なものではないんです。うっかり投げ捨てちゃったから、ちゃんと回収しなきゃと思っただけで……」
「だからなにを?」
「……指輪、です」