星屑坂道

春。桜が咲き誇るガーデンカフェで友達の真美に詰め寄られる。女子といえば恋愛トーク、合コンという変な信条があるのが少し玉にキズな、あとはごくごくフツーな女子高生。

「実際どうなの？　彼氏いるんでしょ。いるんだよね？　いいなあ……」

　勝手に決めつけ、意気消沈する。『明日香は見た目が美人で、性格いいから、絶対いるよね』と周りがそう思っているだけなのだが。

「だからいないってば。それよりカフェラテ冷めちゃうよ」

　明日香は既に紅茶を飲み終えてしまっている。こうして先ほどから、いくら促しても一向にカフェラテは減らない。

「私、もう帰るね。この後用事あるの」

「えーちょっと待ってよ。置いてかないでよあすかぁ」

　呼び止める声は無視して、レジで会計を済ませ店を後にした。