赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました
俺の知らないうちに切ったという髪をそっと撫でると、美織が身じろぐ。
さっきの電話によれば、美織にも日中見られていたということだった。昔からよく知る彼女の性格を思えば、直接聞いてきてもよさそうなものだったが、実際は話題にも挙がらなかった。
いつからか変わった態度が美織のどういう心境の変化を表すのかは俺にはわからない。
それでもこの手で守ってやると心に決めたあの日から、一度たりとも気持ちが揺らいだことはなかった。
「もう、あんな思いをするのは十分だ」
眠っている美織を抱き寄せ、その存在を確認しながら眠りについた。