赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


某サイトによれば、一番好きな人と結婚した人の割合は三十三パーセント。初恋の人と結婚した人の割合は、数パーセントに(とど)まる。

一番好きな人との結婚が、果たしてそのまま幸せな人生に直結するかどうかはおいておくとしても、少なくとも結婚式や新婚生活といったいわゆる蜜月の幸福度は抜群に高いはずだ。なにせ、好きな人が相手なのだ。

だから……というわけではないけれど、初恋の人と、しかも好きで好きで堪らない人と結婚できた私は、これ以上ないくらい幸せ者で、ラッキーなのだと思う。

「十五年近く美織から〝(はじめ)くん〟の話は散々聞いてはいたけど、すごいじゃん! 桧山グループの御曹司だなんて知らなかったからびっくりしたし、てっきり美織の片想いだと思い込んでたから、急に結婚式の招待状が届いて本当に驚いた」
(小学校時代の友人談)

「幼馴染で初恋の相手なんでしょ? すごいロマンチックだよねー。そんな相手と結婚できるなんて羨ましい」
(高校時代の友人談)

「玉の輿のレベルがすごすぎて言葉もないんだけど。こんな見た目も家柄もトップクラスの人がそばにいたら、そりゃあ美織だって同級生とか先輩になんて興味持たないはずだよね。今ものすごく納得した」
(大学時代の友人談)

結婚式の高座に次々に顔を見せにきてくれる友達の言葉に、自然と笑顔がこぼれる。

ため息が漏れそうなほど素敵なウエディングドレスを着た私の隣には、物心ついた頃にはとっくに好きだった初恋の人、匡さんの姿がある。


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