赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました
「ん、ぅ……あ……んんっ」
なんの心構えもない状態で与えられる快感に耐え切れず枕に顔を押し付けて体を震わせると、匡さんは一度動きを止めて私の肩を掴んだ。
そして、覗き込むようにして唇を奪いながら丁寧な動作で私を仰向けにする。
もう今夜何度目かわからないキスを交わした後、ゆっくりと目を開けると、すぐに匡さんと目が合った。その眼差しがすでに熱を孕んでいるのがわかり、体の奥がキュッと締め付けられ、どうしようもなく焦がれてしまう。
色気を全開にしている彼に誘発され、体温が再びじわじわと上がっていくのを感じた。
私相手に興奮してくれるのがたまらなく嬉しくて、体が重なっているという状況もありうっかり好きだなんて口走りそうになったのを必死に止めた。
声にはできない匡さんへの想いが、体の中に溜まり息苦しい。こんなに好きなのに、もう六年も伝えられていない。
「美織」
律動をゆっくりと再開した匡さんが私の頬に手を伸ばす。
ベッドの上でしか匡さんにこんな風には触れられないので、その手の上から自分の手を重ね、頬をすり寄せた。
大きくて厚みのある手に胸がキュンと鳴く。
「余計なことは考えるな」
それはきっと、こういう行為の途中で考え事はするなという意味合いなのだろうけれど、普段からの接し方もあり、まるで私の意思や気持ちなんて必要とされていないと言われているようで少しだけ悲しくなる。
それでも、匡さんがそう言うのでしっかりと頷き、手を伸ばし抱きついた。
匡さんに毎晩教え込まれたからか、私の体は匡さんに触れられると簡単に快感を拾い熱を帯びる。