赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


匡さんはそんな私をいつだったか『敏感だな』と言ったけれど、そういう理由だけではないと思う。一番は、こんなに好きな匡さんが相手だからだ。

だから、こんなにも体全部が喜ぶのだ。

「ん……」

距離を縮めた匡さんが、私の前髪を撫で上げ、おでこに口づける。
私から見て左上の、おでこと言うよりは、生え際に近い場所へのキスが行為の最中必ず行われると気付いたのは、新婚旅行先であるイタリアから帰国してすぐ。

きっと匡さんは無意識なので癖なのだろう。ベッドでしか出ない彼の癖を知れたことが嬉しくて、そこにキスされる度に胸が匡さんへの想いで溢れかえる。

「あ、あ……っ、匡、さん……」

限界を迎え、腰がビクッと大きく跳ねる。
ギュッと力いっぱいしがみついた私に匡さんが小さく笑ったのが耳元から聞こえてきて、また胸が甘く鳴いた。



私が、余韻がたっぷりと残る体に小さく震えながらも呼吸を整えていると、匡さんが隣に横になる。

そのままの流れで抱き寄せられ口の端がどうしても持ち上がってしまい止められないのは毎度のことだった。

ベタベタするのを嫌いそうな匡さんが、行為が終わってもこうして抱き締めてくれるのが嬉しくて堪らない。

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