【完結】私のヒーローは、あこがれの先生でした。



「清宮!? 何があった!?」

 電話越しの先生は、かなり焦っているようにも聞こえる。

「先生、わ、私……だ、誰かに後を付けられてて……」

 怖くなって、足の震えが止まらなくなる。

「なんだって!? 相手は誰だ?」

「わ、分かりません……。怖くて振り返れなくて……」

 どうしよう……。私、どうしたらいいのか分からない。

「清宮、今どこにいる?」

「えっと……う、裏手通りです」

 電話しながら歩いているけど、このままどうしたらいいのか分からない。

「清宮、すぐに行くから待ってろよ! どこかに隠れてろ!」

「え、え……隠れてろよって言われても!」

 隠れるってどこに隠れればいいのか、分からない。

「とにかく、すぐに行くから待ってろ!」

 電話が切れると、私はすぐに恐怖から走り出してしまった。
 だけど私の後から、やはり足音が聞こえてくるんだ。

「やっぱり付いてきてる……」

 とにかく、隠れる所を探さないと。そう思った時、足音が鳴り止んだ気がした。

「あれ……」

 足音が聞こえない?もしかして、いなくなった? 周りを見渡してみても、誰の気配もない。

「良かった……」

 いなかったみたいだ……。でもホッとしたのも、つかの間だったーーー。
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