黒猫と竜は白薔薇に恋をする
「ふーやっぱりここの城は涼しいッスね~ここに住みたいッス、ねアカツキさん」

「別名白雪の城。快適な涼しさに保つ術がかけられてるからなここは。全然」


白亜の廊下を三人並んで歩く。


どこでも三人の態度は変わらず、門番はいつでも楽しそうで、暁とカナタはいつでも飄々としている。


「きゃーカナタ様よ!」

「今から星夜様に会われるんですか?やめておいた方がいいですよ~今すごく機嫌悪いですから」


廊下ですれ違う侍女たちに笑顔で対応するカナタ。あちらこちらから黄色い声が飛び交い、暁はそれを無視し、何故か門番が手を振っている。


「はは、楽しみだね黒猫君」

「楽しみなわけあるか」


めんどくさい。いつものことながら、ここにはめんどくさい奴しかいない。

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