黒猫と竜は白薔薇に恋をする
長い廊下の先にはいかにも重そうな金色の扉。
カナタが緊張感の欠片も無い笑みを浮かべたまま、扉を開く。


「学園王生きてますー?」

「えー生きてるに決まってるじゃないッスかあ!不死身の不死身で有名ですし、仕事の鬼ですからね!」

「一応人間だから」


口々に言いながら入ってきた三人を男が睨む。物凄い剣幕で。


淡い金色の髪に、翡翠の瞳。王子様風な外見だがーー童話の王子様とは程遠い性格。優しさの欠片も無い王子様と言うのが、周りの認識である。


「人間で悪かったな。生憎だが、俺は生きてる。ヒナタお前は今すぐ下がれ。邪魔だ」

「はーい」


厳しい口調にもあっけらかんとし、ヒナタは出ていった。門番である彼が付いてくるのは、最早今に始まったことではない。

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