ママの手料理 Ⅲ
｢あ、ちょっと質問いいですか？養子縁組って事は、仁さんはそのジェームズさんと法的に家族になったという事で合ってますかね？｣


直後、この事について何も知らない航海が挙手をして質問を投げかけて。


｢うん、そういう事。後、下僕は養子縁組か結婚をする事で人間と同じ扱いになるから、ジェームズは仁と家族になった段階で人間としての権利を手にした。
…で、その5年後には大也もジェームズと養子縁組をして、ジェームズと仁と大也は法的に家族になったんだ｣


二度頷いた湊さんは、続いて驚きの発言をした。


｢え？大也も養子縁組してたの？｣


黙って傍聴する予定が、思わず口を挟んでしまう。


｢ああうん、実はね…。あんまり言いたくなくて言ってなかったけど、何かいつの間にか流れでそうなってたんだよねぇ｣


仁さんとは反対側の位置に立つ大也は、少し居心地が悪そうにぽりぽりと頭をかいた。


｢なんだけど、ジェームズは大也と家族になった直後、僕の両親の仕事の都合で渡米しちゃったんだ｣


ああ、何だか情報量が多すぎて頭が混乱してきた。


｢渡米って、何処に行ったんですか？｣


｢アメリカだろーが馬鹿野郎｣


そんな中、隣から聞こえる航海のアホ過ぎる質問を聞き、私は苦笑いを浮かべた。
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