ママの手料理 Ⅲ
「あー分かった、琥珀がどう思ってるか知りたいんでしょ?ちょっと待ってね、琥珀ー?琥珀聞こえるー?」
ポンと手を叩いた俺は、イヤホンを手で押さえて愛する人の名前を呼んだ。
『…んだよ』
ドゴオオォン…という、何かが崩壊したような音と共に、琥珀の声が流れ込む。
「琥珀は、仁がこのままずっと壱のままでいて欲しい?それともまた仁に戻って欲しい?」
ストレート過ぎるその質問は、琥珀のみならず無線機の電源を付けているメンバー全員の元へ届いた。
しかし、空気を読んで誰も何も発言しない。
そして数秒後、
『…あー、』
面倒臭そうなため息をついた琥珀の低い声が、全員の鼓膜を揺らす。
『……俺は何でも良いが、もうあいつとは話したくない』
それは、主人格ではない壱が現実世界に留まる事に対する許可。
(やったあ!)
仁にはこのまま眠っていて貰いたい、闘いの場でも日常でも必要なのは壱なのだから。
嬉しくて目を輝かせた俺とは裏腹に、
「っ……、!」
隣でその会話を聞いていた壱が、愕然と目を見開いた。
ポンと手を叩いた俺は、イヤホンを手で押さえて愛する人の名前を呼んだ。
『…んだよ』
ドゴオオォン…という、何かが崩壊したような音と共に、琥珀の声が流れ込む。
「琥珀は、仁がこのままずっと壱のままでいて欲しい?それともまた仁に戻って欲しい?」
ストレート過ぎるその質問は、琥珀のみならず無線機の電源を付けているメンバー全員の元へ届いた。
しかし、空気を読んで誰も何も発言しない。
そして数秒後、
『…あー、』
面倒臭そうなため息をついた琥珀の低い声が、全員の鼓膜を揺らす。
『……俺は何でも良いが、もうあいつとは話したくない』
それは、主人格ではない壱が現実世界に留まる事に対する許可。
(やったあ!)
仁にはこのまま眠っていて貰いたい、闘いの場でも日常でも必要なのは壱なのだから。
嬉しくて目を輝かせた俺とは裏腹に、
「っ……、!」
隣でその会話を聞いていた壱が、愕然と目を見開いた。