ママの手料理 Ⅲ
目を細めて湊パパが持っているものを捉えた航海が、氷のように冷たい台詞と共に勢い良くナイフを投げた。
(うわ!)
まるでダーツの矢の如く飛んだそれは軌道が若干逸れ、湊パパと壱さんの間の壁に突き刺さった。
「っぶねーな!味方殺しかけてどうすんだよ!」
ナイフが風を切った事で壱さんの髪が揺れ、目をかっと開いた彼はサイコパスに向かって怒りをぶつけ、直後にソファーの上で中腰のままの湊パパを睨みつけた。
「元はと言えばてめぇが悪いんだよ、誰だか知らねーがどうせフェニックスの下っ端だろお前!」
そうだ、思い返せば壱さんは湊パパと面識がない。
私達はホテルで何度か湊パパを見掛ける場面があったものの、その時の人格は全て仁さんだった。
「ちょっ、下っ端って…!」
流石に焦ったらしい湊さんが口を挟んだけれど、色々な事に対して堪忍袋の緒が切れた彼は聞く耳を持たない。
「死ね」
たった2文字、されど2文字。
私を含む味方までもが震え上がる程のドスの効いた声を出した元不良は、拳を大きく振りあげ。
ゴツンッ……
見ているだけで背筋が凍る憎たらしい笑みを浮かべているフェニックスのリーダーの頬を、勢い良く殴った。
ピッ……
それと同時に、何かのスイッチが入った様な薄気味悪い音が、部屋中にこだました。
(うわ!)
まるでダーツの矢の如く飛んだそれは軌道が若干逸れ、湊パパと壱さんの間の壁に突き刺さった。
「っぶねーな!味方殺しかけてどうすんだよ!」
ナイフが風を切った事で壱さんの髪が揺れ、目をかっと開いた彼はサイコパスに向かって怒りをぶつけ、直後にソファーの上で中腰のままの湊パパを睨みつけた。
「元はと言えばてめぇが悪いんだよ、誰だか知らねーがどうせフェニックスの下っ端だろお前!」
そうだ、思い返せば壱さんは湊パパと面識がない。
私達はホテルで何度か湊パパを見掛ける場面があったものの、その時の人格は全て仁さんだった。
「ちょっ、下っ端って…!」
流石に焦ったらしい湊さんが口を挟んだけれど、色々な事に対して堪忍袋の緒が切れた彼は聞く耳を持たない。
「死ね」
たった2文字、されど2文字。
私を含む味方までもが震え上がる程のドスの効いた声を出した元不良は、拳を大きく振りあげ。
ゴツンッ……
見ているだけで背筋が凍る憎たらしい笑みを浮かべているフェニックスのリーダーの頬を、勢い良く殴った。
ピッ……
それと同時に、何かのスイッチが入った様な薄気味悪い音が、部屋中にこだました。