ママの手料理 Ⅲ
「やー仕事休んどいて良かったー!まじ天国、今俺雲の上に居る気分」
隣から、私の考えていた事を見透かすような発言が聞こえ、
「同感」
私はうんうんと頷いた。
「皆様、ホテルまでは1時間弱かかりますので、到着までの間はごゆっくりお過ごしください」
そんな中、助手席から林堂さんが顔を覗かせた。
言われなくても、長旅で疲れているのだからゆっくり過ごすに決まっている。
何せ、仁さんと調子に乗って飛行機内でもホラー映画を観てしまったからほぼ寝れなかったのだ。
ありがとうございます、と小さくお礼を言うと、彼女は小さく微笑んで顔を引っ込めた。
まだ酔いが取れていない銀ちゃんは顔を顰めながら眠り始め、例のハサミの入ったリュックを抱えている航海は流れゆく外の景色を眺めている。
湊さんは目の前を見ながら物思いにふけっていて、琥珀と仁さんは目を瞑っていて、隣に座っている大也は、私の頭に自分の頭をそっと乗せてきた。
大也の真っ白な髪が視界に映り込む。
どんなにブリーチをしようが、例え白髪になっても再現できないその艶のある美しい髪色が私は好きだ。
「…髪、綺麗だね」
大也にしか聞こえない程の小さな小さな声で囁くと、ふっと、上から吐息が聞こえた。
それが溜息から出たものか笑って出たものか、私には区別がつかない。
隣から、私の考えていた事を見透かすような発言が聞こえ、
「同感」
私はうんうんと頷いた。
「皆様、ホテルまでは1時間弱かかりますので、到着までの間はごゆっくりお過ごしください」
そんな中、助手席から林堂さんが顔を覗かせた。
言われなくても、長旅で疲れているのだからゆっくり過ごすに決まっている。
何せ、仁さんと調子に乗って飛行機内でもホラー映画を観てしまったからほぼ寝れなかったのだ。
ありがとうございます、と小さくお礼を言うと、彼女は小さく微笑んで顔を引っ込めた。
まだ酔いが取れていない銀ちゃんは顔を顰めながら眠り始め、例のハサミの入ったリュックを抱えている航海は流れゆく外の景色を眺めている。
湊さんは目の前を見ながら物思いにふけっていて、琥珀と仁さんは目を瞑っていて、隣に座っている大也は、私の頭に自分の頭をそっと乗せてきた。
大也の真っ白な髪が視界に映り込む。
どんなにブリーチをしようが、例え白髪になっても再現できないその艶のある美しい髪色が私は好きだ。
「…髪、綺麗だね」
大也にしか聞こえない程の小さな小さな声で囁くと、ふっと、上から吐息が聞こえた。
それが溜息から出たものか笑って出たものか、私には区別がつかない。