【短編】星の流れる夜に
顔をあげると夜彦だった


「やっぱりここだった…」


はぁはぁと息を切らせながら
安堵の声を漏らす


―ドキンッ―


服装の乱れた姿を見れば
心配して追いかけてきたのだと分かる


分かるけど…!


咲姫は口唇を噛み締めて
その場を離れようとしたが
それより早く
夜彦が咲姫の腕を掴む


「やだ!

いや!

離して!!」


「咲姫ちゃん
落ち着いて!!」

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