【短編】星の流れる夜に
夜彦は有無を言わせず
咲姫を抱きしめた

咲姫は驚いて動きを止める


「兄貴なんだっ!」


「えっ?」


いきなり聞こえた言葉に
咲姫は目を見開いた


「長谷川流は…
俺の兄貴なんだ…」


今度はゆっくりと
同じ言葉を繰り返した


「だって…名前…」


それだけをやっと声に出す

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