【短編】星の流れる夜に
「さてとっ」


夜彦は立ち上がって
咲姫の前に膝まづいた


「では織姫様
わたくしとお付き合いして
いただけますか?」


咲姫はふっと微笑んで答えた


「喜んで
彦星殿」


夜彦が差し出した手を握って
立ち上がる


「年に一度しか会えないのは勘弁だけどね」


ゆっくりと2人の口唇が重なる

咲姫の手の中から見え隠れする指輪が
天の川の瞬きのように輝いていた


[完]

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