君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。

「それはそうと、星谷はなんでこんなところで突っ立ってんの?」


「ついさっきまで羽衣石さんとここで話をしていたんだ」


「へぇ……」


なんだか意外そうな顔。


表情の意図が読めなくて、頭の中に疑問符を浮かべた。


「羽衣石と仲良いの?」


「えっと、さっき困っていたところを助けてもらったお礼を言ったんだけど、その時に自己紹介をしたばかりで……」


「そっか」


朝丘くん、ニコニコ笑ってる。


何かを説明する時に身振り手振りで話す癖、直さないと。


「那青、置いてくなよ~」


どこからか大きな声が聞こえてきたかと思うと、一人の男の子が走ってきて朝丘くんの肩をガシッと掴んだ。


ミルクティーのような明るい茶髪。


大きな目にスッと高い鼻。


中性的な雰囲気が漂う美男子だ。


「メグが女子と喋り始めると長いんだよ。いちいち付き合ってられない」


「そんなこと言わずに、一緒に女の子たちと楽しくお喋りしようよ」


お友達かな?


二人のやりとりを眺めていると、男の子が私に視線を向けた。


< 14 / 56 >

この作品をシェア

pagetop