君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。
「それはそうと、星谷はなんでこんなところで突っ立ってんの?」
「ついさっきまで羽衣石さんとここで話をしていたんだ」
「へぇ……」
なんだか意外そうな顔。
表情の意図が読めなくて、頭の中に疑問符を浮かべた。
「羽衣石と仲良いの?」
「えっと、さっき困っていたところを助けてもらったお礼を言ったんだけど、その時に自己紹介をしたばかりで……」
「そっか」
朝丘くん、ニコニコ笑ってる。
何かを説明する時に身振り手振りで話す癖、直さないと。
「那青、置いてくなよ~」
どこからか大きな声が聞こえてきたかと思うと、一人の男の子が走ってきて朝丘くんの肩をガシッと掴んだ。
ミルクティーのような明るい茶髪。
大きな目にスッと高い鼻。
中性的な雰囲気が漂う美男子だ。
「メグが女子と喋り始めると長いんだよ。いちいち付き合ってられない」
「そんなこと言わずに、一緒に女の子たちと楽しくお喋りしようよ」
お友達かな?
二人のやりとりを眺めていると、男の子が私に視線を向けた。