君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。

そのあとはご飯を食べながら、学校内の色んな花壇の話や目の前の花壇に植えられている花の話をひたすら語った私。


朝丘くんは終始、穏やかな笑顔で頷いてくれて。


いつもの昼食よりも時間が過ぎるのが早く感じた。


「朝丘くんとお昼ご飯を食べるの楽しかった。普段は一人で黙食が殆どだから」


「そうなの?まあ、友達と賑やかに食べるのもい楽しいけど、一人でのんびりと静かに食べるのもいいよな」


「私の場合、仲の良い子がいないだけなんだ。中1の頃までは何人か居たんだけど、話が合わなくなってきて、お互い気まずくなって。それで友達やめちゃった」


みんなは流行りのアイドルやドラマ、それから恋バナなんかで盛り上がってた。


だけどそういう話題に興味がなくて疎かった私は、だんだんお喋りについていけなくなってしまった。


それでも最初は雑誌とかテレビを観たりして何とか話に入ろうとしてみたけど、なかなか溶け込めなくて。


お互いが関わらないように距離を置くうちに、友達関係が消滅してしまったんだ。


< 20 / 56 >

この作品をシェア

pagetop