君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。
「なんだ、やっぱりそうだったんだ」
あれ?
怪訝そうな顔をするかと思ってたけど、楽しそうに笑ってる。
「あの時の星谷、表情が固くて俺を妙に警戒している感じでさ。しかも話に喧嘩とか殴り合いって言葉が出てたから、もしかしたら勘違いしてるのかなと思ってた」
そう言えば、早く体育館裏から離れたいと思いつつ、ツツジに危害を加えないように忠告した気がする。
その時の話かな、多分。
「ちなみに、あの呼び出しっていうのは物騒なものではないんだよね?」
「もちろん。あれは、えっと…女子からの告白だった」
「こ、告白!?」
呼び出しの意味合い、全然違ってた。
そっか、だから朝丘くん……
私と初めて会った時の会話を“面白かった”って言ってたんだ。
こんなとんでもない勘違いする人、あまりいないよね。
恥ずかしい。
顔が火を吹いているかのように熱くなった。