君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。

「なんだ、やっぱりそうだったんだ」


あれ?


怪訝そうな顔をするかと思ってたけど、楽しそうに笑ってる。


「あの時の星谷、表情が固くて俺を妙に警戒している感じでさ。しかも話に喧嘩とか殴り合いって言葉が出てたから、もしかしたら勘違いしてるのかなと思ってた」



そう言えば、早く体育館裏から離れたいと思いつつ、ツツジに危害を加えないように忠告した気がする。


その時の話かな、多分。


「ちなみに、あの呼び出しっていうのは物騒なものではないんだよね?」


「もちろん。あれは、えっと…女子からの告白だった」


「こ、告白!?」


呼び出しの意味合い、全然違ってた。


そっか、だから朝丘くん……


私と初めて会った時の会話を“面白かった”って言ってたんだ。


こんなとんでもない勘違いする人、あまりいないよね。


恥ずかしい。


顔が火を吹いているかのように熱くなった。


< 30 / 56 >

この作品をシェア

pagetop