君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。
窓から差し込む夕日が室内を淡く照らす。
見慣れた光景なのに、いつもよりも綺麗に見えるのは星谷のおかげかもしれないな。
再びニヤける顔。
ベッドの端に腰かけた俺は、そのまま後ろに体を倒した。
めちゃくちゃ嬉しかった。
星谷が俺と出会った日のことを思い出してくれたのも。
俺と友達になりたいって言ってくれたのも。
自惚れかもしれないけど、一気に距離が近くなった気分だ。
鼻歌まじりで握手した方の手を天井にかざす。
まだ微かに残っている星谷の手の感触にドキドキしながらジッと見つめた。
それにしても、女子に全くと言っていいほど興味のなかった俺が。
一人の女の子を好きになるなんて思ってもみなかった。
星谷と出会ったあの日は……
俺にとって、運命だったのかもしれない。