君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。
ー*ー*ー*ー*ー
『はぁ……』
『女の子からの呼び出しなんて羨ましいぜ。頑張って来いよ~!俺は先に部活に行くから後で報告よろしく』
『…ったく』
なんでお前がそんなに楽しそうなんだよ。
こっちは面倒くさくてたまらないのに。
教室前の廊下。
スキップしながら去っていくメグを睨んだ後、俺は重い足取りで体育館裏へと歩き出した。
こうなった理由は、一通の手紙。
朝、登校してきて下駄箱を開けたら、薄いピンク色の小さな封筒が入っていたのだ。
内容は、俺に伝えたいことがあるから放課後に体育館裏に来て欲しいというもの。
そして手紙の最後には差出人と思われるM.Oというイニシャルが書かれていた。
手紙あるいは口頭で呼び出されたことは過去に何度かあるから、何の話かなんて察しがつくわけで。
“またかよ”
それが最初に頭に浮かんだ言葉だった。