君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。

ずっと好きだったとか、付き合いたいとか言われても恋愛に興味ないし。


そもそも女子はちょっと苦手だ。


無愛想に接するのも悪い気がして、話し掛けられたら作り笑いで対応はするけど。


出来ることなら、なるべく関わりたくない。


憂鬱な気分で体育館までやって来た俺は、裏側の方へと移動する。


いつものようにサックリと断って部活に行こう。


建物の陰から様子を伺う。


手紙の差出人はまだ来ていな………ん?


よく見ると、規則的な間隔で並ぶ小さな木の間にしゃがんでいる女の子がいた。


あの子だろうか。


誰かを待っている雰囲気じゃない気もするけど、今日という日の放課後に体育館裏にいる女子生徒なんて限られてるよな。


声を掛けようと、ゆっくり傍に歩いていく。


その時。


落ちていた小枝を踏んでしまったらしく、パキッという乾いた音が辺りに響いた。


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