君が紡ぐ初恋を、独り占めしたい。

「星谷、また明日な!」


「また明日。部活、頑張ってね」


「おう、ありがと!」


放課後。


朝丘くんと挨拶を交わした私は教室を出た。


男の子の友達は生まれて初めてだから、最初は探りさぐりで自分から話しかけることもあまりなかったけど……


だんだんフランクな感じで会話できるようになって来た気がする。


最近は“おはよう”とか“また明日”の後に、少しだけ言葉を追加して話せるようになってきたし。


この調子で、朝丘くんともっと色んな話が出来るようになれたらいいな。


そんな願望を抱きながら、足取り軽くバイト先にやって来た。


駅前の大通りから少し外れたところにある、隠れ家的なカフェ。


ここで私は月水金と隔週土曜日にアルバイトをしている。


花や観葉植物がたくさんあって、木の温もりを感じるオシャレな内装。


私にとって最高の職場だ。


今日も頑張ろう。


いつもどおり意気込みながらカフェの制服に着替えた。


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