没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
「駄目です。こんな仕事用にエプロンにつけたら、ルビーが泣きます」
「それなら、このブローチに似合うドレスを買いにいこう」
ジェラールが張り切った顔をして、ドレスはデイドレスから夜会用のものまで数種類、それに合わせた靴やバッグ、レースの手袋に羽根扇などの小物も揃えようと言いだした。
王太子なので人並外れた財産を持っているのは想像できるけれど、恋人でもないのに買ってもらうわけにいかないとオデットはさらに慌てた。
(殿下って強引なところがあるのよね。どう話したらわかってもらえるかしら)
「折角のお申し出ですけど、すごいドレスを着る機会はありませんし、なによりしまう場所がありません。私のキャビネットは小さいんです」
「わかったよ。キャビネットも買い物リストに加えよう」
「ええっ!? 困ります。キッチンダイニングを部屋として借りているので、大きな家具は置けません」
「そうなのか」
彼の眉尻が下がったのでこれで納得して諦めてくれたかと思ったが、なにかをひらめいたように指を鳴らした。
「それなら、このブローチに似合うドレスを買いにいこう」
ジェラールが張り切った顔をして、ドレスはデイドレスから夜会用のものまで数種類、それに合わせた靴やバッグ、レースの手袋に羽根扇などの小物も揃えようと言いだした。
王太子なので人並外れた財産を持っているのは想像できるけれど、恋人でもないのに買ってもらうわけにいかないとオデットはさらに慌てた。
(殿下って強引なところがあるのよね。どう話したらわかってもらえるかしら)
「折角のお申し出ですけど、すごいドレスを着る機会はありませんし、なによりしまう場所がありません。私のキャビネットは小さいんです」
「わかったよ。キャビネットも買い物リストに加えよう」
「ええっ!? 困ります。キッチンダイニングを部屋として借りているので、大きな家具は置けません」
「そうなのか」
彼の眉尻が下がったのでこれで納得して諦めてくれたかと思ったが、なにかをひらめいたように指を鳴らした。