没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
ブルノが仕事部屋から出てきていつもの席に着き、ルネがテーブルから声を張り上げる。
「オデット、ケトル持ってきて」
「はーい」
ダルマストーブの上でシュンシュン音を立てているケトルからティーポットに湯を注ぐと、かぐわしい香りが立ち上る。
ティータイムの始まりで、五人は当たり前のようにテーブルを囲んだ。
「それで、結婚はいつに決まったの?」
ルネがバスケットのシュークリームに手を伸ばして問う。
「まだ日付は決まっていないわ。その前にやることがたくさんあって。婚姻の儀については話も出ていないの」
「国王陛下に許してもらって半月も経ったのに? 他のやることってなんなのよ」
社交界デビューもしていないオデットなので、まずは貴族たちに紹介するための晩餐会を開くと言われている。
招待状は発送済みで、開催日は一週間後だ。
これでも十分に急いでくれているので、オデットはジェラールに感謝している。
「ふうん。王族って面倒くさいのね。庶民でよかった」
ルネの正直すぎる感想にジェラールが苦笑したら、ドアベルが鳴った。
「こんにちは、あの、すみません……」
「オデット、ケトル持ってきて」
「はーい」
ダルマストーブの上でシュンシュン音を立てているケトルからティーポットに湯を注ぐと、かぐわしい香りが立ち上る。
ティータイムの始まりで、五人は当たり前のようにテーブルを囲んだ。
「それで、結婚はいつに決まったの?」
ルネがバスケットのシュークリームに手を伸ばして問う。
「まだ日付は決まっていないわ。その前にやることがたくさんあって。婚姻の儀については話も出ていないの」
「国王陛下に許してもらって半月も経ったのに? 他のやることってなんなのよ」
社交界デビューもしていないオデットなので、まずは貴族たちに紹介するための晩餐会を開くと言われている。
招待状は発送済みで、開催日は一週間後だ。
これでも十分に急いでくれているので、オデットはジェラールに感謝している。
「ふうん。王族って面倒くさいのね。庶民でよかった」
ルネの正直すぎる感想にジェラールが苦笑したら、ドアベルが鳴った。
「こんにちは、あの、すみません……」