没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
聖女と聞いて、リバルベスタ教会から見つかった水晶玉とバロ司教が教えてくれた話を思い出した。
三百年ほど前に疫病が蔓延した時に聖女サヨが異世界から召喚され、不思議な力で病人を癒した。
それは童話として受け継がれ、作り話だと思っている者が多い。
「聖女って本当にいたの!?」
教会を訪ねた時のオデットと同じようにルネは驚き、ロイとリリアも不思議そうな顔をした。
「なんだ、お前たちはただのおとぎ話だと思っていたのか」
オデットがリリアに紅茶を淹れている間、ブルノが三百年前の聖女について皆に教えた。
それはバロ司教に聞いた話と同じで、きっとブルノはなにかの際に司教から聞いたのだろう。
「ふーん、聖女ってすごいんだね。でも、今は疫病が流行っているわけじゃないのに、どうして現れたの?」
ロイの素朴な疑問に、ブルノが新聞記事を読み直す。
「それは書いていないからわからんな。だが、こうして記事にされたら聖女は一気に国中の注目を浴びる。追加の記事もすぐに出るだろう。バロの奴はホクホクだな」
教会は聖女も崇拝対象としているから、信徒が増えてお布施も増える……という図式らしい。
三百年ほど前に疫病が蔓延した時に聖女サヨが異世界から召喚され、不思議な力で病人を癒した。
それは童話として受け継がれ、作り話だと思っている者が多い。
「聖女って本当にいたの!?」
教会を訪ねた時のオデットと同じようにルネは驚き、ロイとリリアも不思議そうな顔をした。
「なんだ、お前たちはただのおとぎ話だと思っていたのか」
オデットがリリアに紅茶を淹れている間、ブルノが三百年前の聖女について皆に教えた。
それはバロ司教に聞いた話と同じで、きっとブルノはなにかの際に司教から聞いたのだろう。
「ふーん、聖女ってすごいんだね。でも、今は疫病が流行っているわけじゃないのに、どうして現れたの?」
ロイの素朴な疑問に、ブルノが新聞記事を読み直す。
「それは書いていないからわからんな。だが、こうして記事にされたら聖女は一気に国中の注目を浴びる。追加の記事もすぐに出るだろう。バロの奴はホクホクだな」
教会は聖女も崇拝対象としているから、信徒が増えてお布施も増える……という図式らしい。