没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
王太子の命を狙ったら死罪でもおかしくないのに有期刑に処され、伯爵家の取り潰しもなく息子が爵位を継ぐことが許されたと書かれていた。
「一体どんな事情があってこんな判決になったんだ?」
ブルノは不思議そうに唸っているが、オデットには思い当たる節がある。
(もしかして、私の意見を聞いてくれたのかしら)
敵対する相手にも優しくすれば仲良くなれると進言したのを思い出していた。
近侍は立腹していたがジェラールは感心してくれたので、彼が減刑するように命じたのかもしれない。
(たしか背後にレオポルド派がいると仰っていたけど、一派についての処分もないようね。結びつく証拠は得られなかったのかも。粛清なんて怖い話にならなくてよかったわ)
オデットはホッとしてルネとロイの間の席に腰かけた。
ロイが来たためオデットの分の紅茶が足りなくなってしまったが、自分のためだけにまた淹れにいくのは面倒でクッキーだけを口にする。
「ん、とっても美味しい。ルネが作ってくれたんでしょ?」
頬に手をあてたら、ルネが得意げに胸を張った。
「一体どんな事情があってこんな判決になったんだ?」
ブルノは不思議そうに唸っているが、オデットには思い当たる節がある。
(もしかして、私の意見を聞いてくれたのかしら)
敵対する相手にも優しくすれば仲良くなれると進言したのを思い出していた。
近侍は立腹していたがジェラールは感心してくれたので、彼が減刑するように命じたのかもしれない。
(たしか背後にレオポルド派がいると仰っていたけど、一派についての処分もないようね。結びつく証拠は得られなかったのかも。粛清なんて怖い話にならなくてよかったわ)
オデットはホッとしてルネとロイの間の席に腰かけた。
ロイが来たためオデットの分の紅茶が足りなくなってしまったが、自分のためだけにまた淹れにいくのは面倒でクッキーだけを口にする。
「ん、とっても美味しい。ルネが作ってくれたんでしょ?」
頬に手をあてたら、ルネが得意げに胸を張った。