没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
ルネの勘違いを訂正せず、ジェラールが白い歯を見せて爽やかに微笑む。
「オデットのお友達のお嬢さん、初めまして。俺はジェイ。今後は頻繁にこの店に顔を出すつもりだからよろしくね」
(頻繁に? ご病気中も寝ていられないほど忙しそうにしていたのに?)
不思議そうなオデットにジェラールがクスリとする。
「なにか問題でも?」
「あの、申し訳ないんですけど私には仕事がありますので……」
「もちろんわかっている。今日はこれを見てもらいたいんだ」
彼がポケットから出したのはネックレスケースで、蓋を開けると細いプラチナチェーンにダイヤモンドのペンダントトップがついていた。
「鑑定ですね!」
たちまちオデットの目が輝き、興奮状態に入る。
「五カラットはありそうですね。パッと拝見した限り二千万ゼニーくらいのお値段になりそうです。そちらのカウンターでじっくり拝見させてください。ああ、今日はなんていい日なの。こんなに上等なダイヤに出会えたのは久しぶりだわ!」
カウンターには内と外にひとつずつスツールがあって、オデットとジェラールが向かい合わせに腰を下ろした。
「オデットのお友達のお嬢さん、初めまして。俺はジェイ。今後は頻繁にこの店に顔を出すつもりだからよろしくね」
(頻繁に? ご病気中も寝ていられないほど忙しそうにしていたのに?)
不思議そうなオデットにジェラールがクスリとする。
「なにか問題でも?」
「あの、申し訳ないんですけど私には仕事がありますので……」
「もちろんわかっている。今日はこれを見てもらいたいんだ」
彼がポケットから出したのはネックレスケースで、蓋を開けると細いプラチナチェーンにダイヤモンドのペンダントトップがついていた。
「鑑定ですね!」
たちまちオデットの目が輝き、興奮状態に入る。
「五カラットはありそうですね。パッと拝見した限り二千万ゼニーくらいのお値段になりそうです。そちらのカウンターでじっくり拝見させてください。ああ、今日はなんていい日なの。こんなに上等なダイヤに出会えたのは久しぶりだわ!」
カウンターには内と外にひとつずつスツールがあって、オデットとジェラールが向かい合わせに腰を下ろした。