没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
「鑑定書をお作りしましょうか?」
「いやいい。これはここに置いていくつもりだから」
「お売りになるんですか?」
王太子が買い取り希望で訪れるとは予想外で目を丸くしたら、ジェラールがクスリとした。
ネックレスを手に立ち上がった彼は、なぜかカウンターの内側に入ってきてオデットの真後ろに立った。
「えっ、あの」
「前を向いてじっとしていて」
スラリと長く滑らかで、それでいて男らしくごつごつとした彼の指がオデットの肩までの髪に触れた。
それだけでも十分に驚いているのに、素早く首にネックレスをつけられて息をのんだ。
「これはオデットのために作らせたんだ」
「ええっ!? こんなに素晴らしいネックレスをいただく理由がないです」
立ち上がって振り向くと、予想以上の至近距離にいたジェラールにぶつかってしまう。
よろけて「キャッ」と声をあげたら、長い片腕が背中に回され引き寄せられた。
「ご、ごめんなさい」
慌てて彼の胸から顔を離して見上げると、色気を醸す琥珀色の瞳がすぐそこにあり、また鼓動が跳ねた。
「俺が君にプレゼントしたいから、という理由がある。よく似合っているよ」
「いやいい。これはここに置いていくつもりだから」
「お売りになるんですか?」
王太子が買い取り希望で訪れるとは予想外で目を丸くしたら、ジェラールがクスリとした。
ネックレスを手に立ち上がった彼は、なぜかカウンターの内側に入ってきてオデットの真後ろに立った。
「えっ、あの」
「前を向いてじっとしていて」
スラリと長く滑らかで、それでいて男らしくごつごつとした彼の指がオデットの肩までの髪に触れた。
それだけでも十分に驚いているのに、素早く首にネックレスをつけられて息をのんだ。
「これはオデットのために作らせたんだ」
「ええっ!? こんなに素晴らしいネックレスをいただく理由がないです」
立ち上がって振り向くと、予想以上の至近距離にいたジェラールにぶつかってしまう。
よろけて「キャッ」と声をあげたら、長い片腕が背中に回され引き寄せられた。
「ご、ごめんなさい」
慌てて彼の胸から顔を離して見上げると、色気を醸す琥珀色の瞳がすぐそこにあり、また鼓動が跳ねた。
「俺が君にプレゼントしたいから、という理由がある。よく似合っているよ」