没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
そういえばカルダタンで会った時はお忍びのジェイの姿だったというのに、今日ここにきたアランはジェラールが王太子だと知っていた。
オデットが知らないうちにジェラールは王太子としてモンテス商会を視察し、アランの待遇改善を命じたのではないだろうか。
オデットがジェラールを見つめていると、今度は視線が交わりウインクを返された。
(やっぱりそうなのね。可哀想に思ってもなにもできなかった私と違って、殿下は頼もしい方だわ)
「オデットさん」
頬を染めていたオデットは、急にアランに呼ばれて肩を揺らした。
「は、はい」
「スプーンを持っていった時に教えてくれましたよね。ルビーとサファイアが同じ石だってことを」
「ええ……」
ふたつの宝石はコランダムという同じ石。
そこに混ざる不純物で色の違いが生まれ、ルビーの方が希少価値が高いので高額で取り引きされる。
確かにそのような説明をした覚えはあるが、伯爵家に入らず今後もモンテス商会で働きたいという話の流れにどう繋がるのだろうか。
オデットは目を瞬かせ、アランは胸を張った。
オデットが知らないうちにジェラールは王太子としてモンテス商会を視察し、アランの待遇改善を命じたのではないだろうか。
オデットがジェラールを見つめていると、今度は視線が交わりウインクを返された。
(やっぱりそうなのね。可哀想に思ってもなにもできなかった私と違って、殿下は頼もしい方だわ)
「オデットさん」
頬を染めていたオデットは、急にアランに呼ばれて肩を揺らした。
「は、はい」
「スプーンを持っていった時に教えてくれましたよね。ルビーとサファイアが同じ石だってことを」
「ええ……」
ふたつの宝石はコランダムという同じ石。
そこに混ざる不純物で色の違いが生まれ、ルビーの方が希少価値が高いので高額で取り引きされる。
確かにそのような説明をした覚えはあるが、伯爵家に入らず今後もモンテス商会で働きたいという話の流れにどう繋がるのだろうか。
オデットは目を瞬かせ、アランは胸を張った。