さよなら、愛してる〈不知火の姫 外伝〉
勝手に雲竜との対決を決めてしまったから、倉庫に戻ると俺は弘人に散々なじられた。もっと準備をしてからとか、相手を調べてとか、ごちゃごちゃ言っていたが、俺は悪手だとは思わない。
勢いで決めてしまったのは認めるが、これ以上時間をかけても被害が広がるばかりだろ。
「――それにしたって、藍乃ちゃんはどうするんだよ!」
「どうするも、こうするもねぇだろ……あいつが自分であっちに行ったんだ。そういう事だ……!」
もう疑い、じゃない。確証だ……
俺の言葉に倉庫中が静まり返ってしまった。こんな時、筒抜けなのは便利でもあるが不便だ。隠し事も出来やしない。
「――では総長、俺たちは準備を始めます。行きますよ、風吹」
「うん~響生。まずは、戦略から考えようか~」
風吹と響生はそう言うと、下に集まっている配下たちに支持を出す為、幹部室から出て行った。
残されたのは俺と、弘人。あとは奈央が出入口で心配そうに俺を見ている。
……奈央も、裏切られたんだ。
藍乃とは友達だったはずだ。いつも二人でわちゃわちゃしてて、楽しそうだった。
「……凪先輩、あのね」
奈央はふいに話始めた。ガサツでお喋りな奈央も、この件に対してはずっと沈黙していたのに。
勢いで決めてしまったのは認めるが、これ以上時間をかけても被害が広がるばかりだろ。
「――それにしたって、藍乃ちゃんはどうするんだよ!」
「どうするも、こうするもねぇだろ……あいつが自分であっちに行ったんだ。そういう事だ……!」
もう疑い、じゃない。確証だ……
俺の言葉に倉庫中が静まり返ってしまった。こんな時、筒抜けなのは便利でもあるが不便だ。隠し事も出来やしない。
「――では総長、俺たちは準備を始めます。行きますよ、風吹」
「うん~響生。まずは、戦略から考えようか~」
風吹と響生はそう言うと、下に集まっている配下たちに支持を出す為、幹部室から出て行った。
残されたのは俺と、弘人。あとは奈央が出入口で心配そうに俺を見ている。
……奈央も、裏切られたんだ。
藍乃とは友達だったはずだ。いつも二人でわちゃわちゃしてて、楽しそうだった。
「……凪先輩、あのね」
奈央はふいに話始めた。ガサツでお喋りな奈央も、この件に対してはずっと沈黙していたのに。