ティアドール
最後のオリジナルフィギュア…その姿は、透き通った肌を持ち、金髪の髪を爆風で靡かせる…全裸の女であった。

但し…身長18メートルの巨人。

「こ、これが…オリジナルフィギュア」

フェーンは驚きながらも、捕獲の為に動こうとした。

「逃がすか!」

その時、格納庫内に、河村のガルが飛び込んできて、ビームマシンガンをぶっぱなした。

「チッ!」

フェーンは舌打ちすると、機体を上昇させた。

そして、天井に穴を空けると、外に出た。

「だから、逃がすか!」

背中のブースターを点火させ、黄金の鳥を追おうとした河村は、オリジナルフィギュアが立っていることに気付いた。

「女型のフィギュア!?」

驚きながらも、空いた穴から外に飛び出した。

「だ、誰だ!」

ノアの攻撃を退けた真也は、格納庫内に入り、オリジナルフィギュアを守ろうと思った。

その思いは、起動したオリジナルフィギュアを見て、絶望に変わった。

「だ、誰だ!俺の機体を!」

予想外の出来事が、真也の心を取り乱させた。

「甘いな。エリートさんは」

オリジナルフィギュアを見て、動きを止めてしまったブシの背中を、ノアのビーム兵器が直撃した。

「な!」

着弾の衝撃が、真也を元に戻したが、その時には遅かった。

背中のブースターが爆発し、機体は半壊した。

煙を上げながら、ブシは格納庫に倒れた。

「少佐!オリジナルフィギュアを捕獲します!」

トニーは、格納庫内での爆破の危険を考え、ブシにトドメを刺すのを止めると、機体をオリジナルフィギュアに向けた。

「女のフィギュア…」

トニーは、にやりと笑った。

「あの姿…。本当に戦闘用なのか…まるで、処女じゃねえか」

そして、ビーム兵器の銃口を、オリジナルフィギュアに向けた。



「…」

ノアの殺気に気付き、オリジナルフィギュアは閉じていた瞼を開いた。

青い瞳に、ノアとその向こうで繰り広げられている戦いが映った。
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